ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

長谷部恭男『憲法とは何か』岩波新書

もともと改憲護憲に問題意識があって手にとったわけではなく、加藤陽子東大教授の『それでも、日本人は戦争を選んだ』(新潮文庫)に「長谷部先生は、この本のなかで、ルソーの「戦争及び戦争状態論」という論文に注目して、こういっています。戦争は国家と…

新装版『もの食う話』 (文春文庫)

新品で¥616ですよ。お値打ちですよ。鼻血出ますよ。 食に関する短編を収録した絶品アンソロジー。目次を開くとレストランにあるようなメニューの表紙を模したデザイン、「厨房から」に始まり「食前酒」「前菜」「主菜」「サラダ」「デザート」「食後酒」と…

原宏一『ヤッさん』(双葉文庫)

原宏一『ヤッさん』(双葉文庫)を読みました。なんで買ったのかはよく覚えていません。今月はスーザン・ストレンジ『カジノ資本主義』がなかなか進まなくて冊数が伸びていないので浮気です。速い人なら半日くらいで読めるボリュームです。私は遅いので3日ほ…

エレイン・シャノン著『クリミナル・イノベーション』ハーバーコリンズ・ジャパン

ノンフィクションです。凄本です。 映画『ボーダーライン 1・2』『悪の法則』『トラフィック』、小説『犬の力』(未読)なんかが好きな人は鼻血垂らしながら楽しめると思います。サイコパス天才ハッカーがその暗い生い立ちからどんなダークサイドスキルを身…

山口謡司 著『文豪たちの美味しいことば』

私の本選びは「読まないジャンルがいくつかある」くらいでとても無節操だと思います。読まないジャンルと言えば・・・官能小説、パズラー小説を始めとする本格ミステリ、ラノベ、幻冬舎、芸能人エッセイ、〇〇が8割言い切り自己啓発本、俺みたいに突き抜けて…

映画『クローバーフィールド』

ちょっと前に『クローバーフィールド』を観ました。想像の100倍良く出来た映画でした。 最近観たクリーチャーパニックものでクローバーフィールドとミストだったら・・・ミストの方が好きかな。 公正で実直、知性も決断力も有る「アメリカの良き父親」がこと…

『ヒットマンズ・ボディガード』『アーミー・オブ・ザ・デッド』『トゥモロー・ウォー』『ウィズアウト・リモース』

配信プラットフォーマーのオリジナル作品あれこれ。 『ヒットマンズ・ボディガード』(Netflix)・・・面白い!過去に殺し合ったボディーガードと殺し屋がバディを組んで友情物語にまで発展するクッサイ脚本を主演二人の演技と笑いでとことん観せてます。ク…

ジェイソン・レナルズ『エレベーター』早川書房

『ベルリンは晴れているか』で大ファンになった深緑野分氏が推薦ということで全くの前知識無しに購入して読んでみました。てっきりクライムノベルかハードボイルドかと思っていましたが(おそらく翻訳の青木千鶴氏が『用心棒』も担当していたからそのイメー…

映画『プロミシング・ヤングウーマン』

良かった!本当に観て良かった。 キャリー・マリガン主演『プロミシング・ヤングウーマン』。 客の9割が男性でしたが、エンドロールが終わり劇場が明るくなった時には、全員の魂が蒸発していく音が聞こえたようでした。 ストーリーは簡単に言うとピエール・…

アーノルド・J・トインビー 著『試練に立つ文明(全)』現代教養文庫

国際競技大会の一連の報道を見るにつけ、いよいよ日本は衰退国家だという実感は増すばかりです。ふと思い出して、久しぶりに中西輝政『なぜ国家は衰亡するのか(PHP新書)』を読み返してみました。 中西によれば国家なんて上がったり下がったりを繰り返すも…

『中小企業の人材開発』中原淳・保田江美 著

今朝は、なんで3千4百円も出してこれを買ったのか自分でも理由が分からない本を読んでいました。 『中小企業の人材開発』中原淳・保田江美 著、東京大学出版会 完全に学術研究書でした。 だけどもハウツー本という名を借りた自分語りを読まされるより、研究…

映画『ジェントルメン』

『ジェントルメン』を観ました。 端的に言ってコリン・ファレルが一番格好良くて好きでした。『スナッチ』のときもブラッド・ピットの役が一番好きでしたし、こういう「持っていく」役回りが好みなんでしょうね。 作品全体としては・・・うーん、1位 ロック…

『街の上で』映画・MOVIE

今泉力哉監督(『あの頃。』『愛がなんだ』)、若葉竜也主演(『おちょやん』『葛城事件』の引き篭もり次男)の『街の上で』をT・ジョイ蘇我で昨日鑑賞してきました。 や・ら・れ・た・・・! いきなり『ノマドランド』超えが来ましたよ、これ! モテ非モテ境…

映画『THE DAWN WALL』

映画『THE DAWN WALL』を鑑賞しました。カリフォルニアのヨセミテ国立公園にある900mの岩壁を、フリークライミングでの新ルート開拓をした二人のクライマーのドキュメントなんですが、これが面白い! エクストリームスポーツに人生を捧げている人間のひたむ…

映画『スタントウーマン』

映画『スタントウーマン』を観ました。ハリウッドの女性スタントのインタビューで構成されたドキュメンタリーです。 女性スタントの地位向上に努めた先輩たちや歴史への敬意、そして連帯が印象深いとても勉強になる作品でした。

『ノマドランド』映画・MOVIE

映画『ノマドランド』をTOHOシネマ ユニモちはら台で観てきました。 やられましたね。講釈不要。完全に油断していました。強い、本当に強い映画です。悲しいことが起こっている訳ではないのに涙が溢れてくる。この作品はぜひスクリーンで。満足度たかーーー…

『JUNK HEAD』映画・MOVIE

今日は3/26公開の映画『JUNK HEAD』をアップリンク渋谷で観てきました。 大分出身の堀貴秀というクリエイターがほぼ1人(出資が決まってからは4人のチームになっています)で千葉某所のとある倉庫でシコシコシコシコシコ撮ったストップモーションアニメ=パペッ…

『エイジ・オブ・サムライ』ドラマ・Netflix

Netflixオリジナルで『エイジ・オブ・サムライ』というドラマシリーズがありまして、これが面白いのです。織田信長が織田家家長になるところから徳川家康の成し遂げた天下泰平までの時代を取り上げてあり、1話目の桶狭間の戦いで邂逅した織田信長、豊臣秀吉…

『ハーフ・オブ・イット』映画・MOVIE

『ハーフ・オブ・イット』(Netflixオリジナル) 監督アリス・ウー出演 リーア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・ルミール 『ブックスマート』で痛感した、セクシャリティ、マイノリティに関する深い配慮や洞察に基づいて上質なエンタメを作りあ…

映画『インサイダーズ』

今日『KCIA 南山の部長たち』を観るので、昨夜のうちに同じウ・ミンホ監督とイ・ビョンホンのコンビの『インサイダーズ』を予習しました。映画は少々とっ散らかっていたけどまぁとにかくドチンピラのイ・ビョンホンがカッコ良すぎて、それだけで酒が進みまし…

映画『KCIA 南山の部長たち』イ・ビョンホン主演、ウ・ミンホ監督

この間の土曜日にTOHOシネマズ錦糸町オリナスでウ・ミンホ監督(『麻薬王』『インサイダーズ/内部者たち』)の『KCIA 南山の部長たち』を観ました。 KCIA=中央情報部で、南山はKCIAのある地名のようです。米国であればラングレー、日本でいえば桜田門とい…

映画『MUD』

ノースカロライナの湿地帯を舞台にした『ザリガニの鳴くところ』を昨日読了して、現在、魂を持っていかれているところなのですが、アーカンソーの河の中洲が舞台の『MUD』のことが思い出されまして。 風変わりな肌触りの映画ですが、大好きなんです。マシュ…

モリー・グプティル・マニング著『戦地の図書館 海を超えた一億4千万冊』

『戦地の図書館 海を超えた一億4千万冊』 モリー・グプティル・マニング著、創元ライブラリ これは面白い! 歴史、文学、文化、米国風俗史の勉強になるし、なにせエキサイティングで泣ける! 本の帯にはこういう紹介文があります。「戦地の兵士に本を送れー…

C.J.チューダー著『アニーはどこにいった』文藝春秋

傑作ですね。評判通り。 たっぷり怖いです。腐臭もカビ臭さも不穏さもムシのガサガサ感もしっかり味わえます。イギリスの田舎が舞台ですので、ゴシックとまではいかないですけど現代のやさぐれ感のバックキャストに土地の呪いが浮かび上がる語り口は上手い。…

王谷晶 著『ババヤガの夜』河出書房新社

ノリにノリまくっている河出書房から2020年にリリースされたアクションバイオレンスものです。平山夢明『ダイナー』以降、ぶっ飛びバイオレンスの中毒症状が続いていて、ライアン・ギャティス『血まみれ鉄拳ハイスクール』があんまり面白くなかったので中毒…

映画『異端の鳥』

TOHOシネマ日比谷で『異端の鳥』を観てきました。 3時間の修行です。泣けるか?泣けるわけないやん!! 上映開始から1時間経ったところで「頼むからここから出してくれ!」と思いました。ラストで思ったのは「あぁこの映画が終わって良かった・・・」その一点…

映画・MOVIE 『トガニ 幼き瞳の告発(SILENCED DOGANI)』 2011年 韓国 125分

監督 ファン・ドンヒョク原作 コン・ジヨン 『トガニ 幼き瞳の告発』出演 コン・ユ カン・イノ チョン・ユミ ソ・ユジン キム・ヒョンス ヨンドゥ チョン・インソ ユリ ペク・スンファン ミンス チャン・グァン 校長/行政室長 <解説 / allcinema> 韓国の聴…

映画『メランコリック』

ぶっ飛んでる!! めっちゃおもろかった!! 東大卒のフリーターと殺し屋が風呂屋のバイトリーダー争いするバイオレンス青春映画。なんなんこの役者達が繰り出すイマドキ若者風の素晴らしく瑞々しい演技。設定と脚本はソリッドだけど、この映画のど真ん中は…

『悪人伝』(韓国/脚本・監督 イ・ウォンテ)  

昨晩、レイトショーで観てきました。期待通り面白かった! 途中はずっと高めの棒球みたいな進行だったけど、あのラストは巧すぎる!! 韓国のアクションヴァイオレンス映画が圧倒的な演技の技術でオチを付ける時代になったかと、銃撃音の音圧を上げていれば…

映画『負け犬の美学』(フランス)

<ストーリー> "最盛期を過ぎた40代のプロボクサー、スティーブ。彼は愛する家族のため、そして自分自身の引き際のために、欧州チャンピオンの練習相手に立候補するが……。" あかん・・・あかんよ、これは。 こないだ『180秒の熱量』(特に強くもなく才能もない…