ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

2021-07-23から1日間の記事一覧

森鴎外『舞姫』

想像以上の男のクズの話でした。男前だろうと頭よかろうと、「こんおとこはすかん!(宮崎弁)」。金原ひとみに言わせると「オートフィクション」なんでしょうね、森鴎外の半自伝的小説。 主人公である太田豊太郎のドイツ人女性エリス(設定は未成年)の扱い…

高橋ユキ 著『つけびの村』(晶文社)

TBSラジオ製作のオーディオムービー『つけびの村』の原作がノンフィクションと知って読んでみました。 2013年7月21日、山口県周南市の山間にある限界集落で保見光成(事件当時63歳)が起こした、集落住民12人のうち5人が殺害された連続放火殺人事件を扱って…

長谷部恭男『憲法とは何か』岩波新書

もともと改憲護憲に問題意識があって手にとったわけではなく、加藤陽子東大教授の『それでも、日本人は戦争を選んだ』(新潮文庫)に「長谷部先生は、この本のなかで、ルソーの「戦争及び戦争状態論」という論文に注目して、こういっています。戦争は国家と…

新装版『もの食う話』 (文春文庫)

新品で¥616ですよ。お値打ちですよ。鼻血出ますよ。 食に関する短編を収録した絶品アンソロジー。目次を開くとレストランにあるようなメニューの表紙を模したデザイン、「厨房から」に始まり「食前酒」「前菜」「主菜」「サラダ」「デザート」「食後酒」と…

原宏一『ヤッさん』(双葉文庫)

原宏一『ヤッさん』(双葉文庫)を読みました。なんで買ったのかはよく覚えていません。今月はスーザン・ストレンジ『カジノ資本主義』がなかなか進まなくて冊数が伸びていないので浮気です。速い人なら半日くらいで読めるボリュームです。私は遅いので3日ほ…

エレイン・シャノン著『クリミナル・イノベーション』ハーバーコリンズ・ジャパン

ノンフィクションです。凄本です。 映画『ボーダーライン 1・2』『悪の法則』『トラフィック』、小説『犬の力』(未読)なんかが好きな人は鼻血垂らしながら楽しめると思います。サイコパス天才ハッカーがその暗い生い立ちからどんなダークサイドスキルを身…

山口謡司 著『文豪たちの美味しいことば』

私の本選びは「読まないジャンルがいくつかある」くらいでとても無節操だと思います。読まないジャンルと言えば・・・官能小説、パズラー小説を始めとする本格ミステリ、ラノベ、幻冬舎、芸能人エッセイ、〇〇が8割言い切り自己啓発本、俺みたいに突き抜けて…

映画『クローバーフィールド』

ちょっと前に『クローバーフィールド』を観ました。想像の100倍良く出来た映画でした。 最近観たクリーチャーパニックものでクローバーフィールドとミストだったら・・・ミストの方が好きかな。 公正で実直、知性も決断力も有る「アメリカの良き父親」がこと…

『ヒットマンズ・ボディガード』『アーミー・オブ・ザ・デッド』『トゥモロー・ウォー』『ウィズアウト・リモース』

配信プラットフォーマーのオリジナル作品あれこれ。 『ヒットマンズ・ボディガード』(Netflix)・・・面白い!過去に殺し合ったボディーガードと殺し屋がバディを組んで友情物語にまで発展するクッサイ脚本を主演二人の演技と笑いでとことん観せてます。ク…

ジェイソン・レナルズ『エレベーター』早川書房

『ベルリンは晴れているか』で大ファンになった深緑野分氏が推薦ということで全くの前知識無しに購入して読んでみました。てっきりクライムノベルかハードボイルドかと思っていましたが(おそらく翻訳の青木千鶴氏が『用心棒』も担当していたからそのイメー…

映画『プロミシング・ヤングウーマン』

良かった!本当に観て良かった。 キャリー・マリガン主演『プロミシング・ヤングウーマン』。 客の9割が男性でしたが、エンドロールが終わり劇場が明るくなった時には、全員の魂が蒸発していく音が聞こえたようでした。 ストーリーは簡単に言うとピエール・…

アーノルド・J・トインビー 著『試練に立つ文明(全)』現代教養文庫

国際競技大会の一連の報道を見るにつけ、いよいよ日本は衰退国家だという実感は増すばかりです。ふと思い出して、久しぶりに中西輝政『なぜ国家は衰亡するのか(PHP新書)』を読み返してみました。 中西によれば国家なんて上がったり下がったりを繰り返すも…