ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

2020-01-01から1年間の記事一覧

C.J.チューダー著『アニーはどこにいった』文藝春秋

傑作ですね。評判通り。 たっぷり怖いです。腐臭もカビ臭さも不穏さもムシのガサガサ感もしっかり味わえます。イギリスの田舎が舞台ですので、ゴシックとまではいかないですけど現代のやさぐれ感のバックキャストに土地の呪いが浮かび上がる語り口は上手い。…

王谷晶 著『ババヤガの夜』河出書房新社

ノリにノリまくっている河出書房から2020年にリリースされたアクションバイオレンスものです。平山夢明『ダイナー』以降、ぶっ飛びバイオレンスの中毒症状が続いていて、ライアン・ギャティス『血まみれ鉄拳ハイスクール』があんまり面白くなかったので中毒…

映画『異端の鳥』

TOHOシネマ日比谷で『異端の鳥』を観てきました。 3時間の修行です。泣けるか?泣けるわけないやん!! 上映開始から1時間経ったところで「頼むからここから出してくれ!」と思いました。ラストで思ったのは「あぁこの映画が終わって良かった・・・」その一点…

映画・MOVIE 『トガニ 幼き瞳の告発(SILENCED DOGANI)』 2011年 韓国 125分

監督 ファン・ドンヒョク原作 コン・ジヨン 『トガニ 幼き瞳の告発』出演 コン・ユ カン・イノ チョン・ユミ ソ・ユジン キム・ヒョンス ヨンドゥ チョン・インソ ユリ ペク・スンファン ミンス チャン・グァン 校長/行政室長 <解説 / allcinema> 韓国の聴…

映画『メランコリック』

ぶっ飛んでる!! めっちゃおもろかった!! 東大卒のフリーターと殺し屋が風呂屋のバイトリーダー争いするバイオレンス青春映画。なんなんこの役者達が繰り出すイマドキ若者風の素晴らしく瑞々しい演技。設定と脚本はソリッドだけど、この映画のど真ん中は…

『悪人伝』(韓国/脚本・監督 イ・ウォンテ)  

昨晩、レイトショーで観てきました。期待通り面白かった! 途中はずっと高めの棒球みたいな進行だったけど、あのラストは巧すぎる!! 韓国のアクションヴァイオレンス映画が圧倒的な演技の技術でオチを付ける時代になったかと、銃撃音の音圧を上げていれば…

映画『負け犬の美学』(フランス)

<ストーリー> "最盛期を過ぎた40代のプロボクサー、スティーブ。彼は愛する家族のため、そして自分自身の引き際のために、欧州チャンピオンの練習相手に立候補するが……。" あかん・・・あかんよ、これは。 こないだ『180秒の熱量』(特に強くもなく才能もない…

『藤十郎の恋』菊池寛

【リアリティーショウ】 世にある、人の惚れた腫れたをネタにするリアリティーショウというのが好きではない。どちらかというとお金を払って芸事を楽しむということには積極的なの方だと自覚しているけど、地上波でセミプロ同志がじゃれ合ってる様子を楽しむ…

『バイス / VICE』(アメリカ 2018) 映画感想

監督 :アダム・マッケイ出演:クリスチャン・ベイル ディック・チェイニー エイミー・アダムス リン・チェイニー スティーヴ・カレル ドナルド・ラムズフェルド サム・ロックウェル ジョージ・W・ブッシュ タイラー・ペリー コリン・パウエル アリソン・ピ…

ライアン・ギャティス『 血まみれ鉄拳ハイスクール』文藝春秋

文藝春秋がけっこう満を持して翻訳版を出してきたので買って読んでみたのですが、あんまり乗り切れなかったなぁ。この手のジャンルは翻訳者の文体で好き嫌いがずいぶんと変わるってことかな。全然リズムが合わないし、読み返しても登場人物達の体の使い方が…

長沼伸一郎『現代経済学の直観的方法』講談社

スゴ本でした。これはお勧めします。大人の教養本。 極論したら経済学の本なんてこれ一冊でいいです。体系的、かつ網羅的。経済学どころか歴史、宗教、地政学、哲学、テクノロジー、政治までパッケージされてます。 理系畑の著者が、理系研究者が世の中で冷…

映画『スカイ・クロラ』監督 押井守、原作 森博嗣

だいたい押井守が好きなんですけど、その中でも相当好き。再見してまた打ちのめされた。『アヴァロン』より狂った世界観(原作の緻密さが大きく貢献している)に円熟の技術。声優陣も素晴らしい。 映画『わたしを離さないで』、『ブレード・ランナー2049』に…

『エニイ・ギブン・サンデー / ANY GIVEN SUNDAY』(アメリカ 1999) 映画感想

監督:オリヴァー・ストーン出演:アル・パチーノ トニー・ダマト キャメロン・ディアス クリスティーナ・パグニアーチ デニス・クエイド ジャック“キャプ”ルーニー ジェームズ・ウッズ ハービー・マンドレイク医師 ジェイミー・フォックス ウィリー・ピーメ…

読書感想『読書について 他二篇』ショウペンハウエル著、岩波新書

『読書について 他二篇』ショウペンハウエル著、岩波新書 著者は1800年代中盤に活躍したドイツ人の哲学者。ニーチェに影響を与え、そしてそのニーチェと相互に刺激しあったと言われている文豪がドストエフスキー。そんな世代の人の書いたもの。内容を簡単に…