ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

『ハーフ・オブ・イット』映画・MOVIE

『ハーフ・オブ・イット』(Netflixオリジナル)

監督アリス・ウー
出演 リーア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・ルミール

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『ブックスマート』で痛感した、セクシャリティ、マイノリティに関する深い配慮や洞察に基づいて上質なエンタメを作りあげる米国映画業界の底力。
それがNetflixでも炸裂しています。


美しい、とっても爽やかで美しい映画です。従来の恋愛映画のパターンにはめようと構えて観ていると、すっかりしてやられます。

<ネタバレ有り>
中国系アメリカ人女性リーア・ルイス(レズビアン)が恋心を抱くア白人女性レクシス・レミール(ヘテロセクシャル)と温泉が湧いている泉に二人で浸かる胸キュンシーンがあるのですが、大胆に裸になってしまうレクシス・レミールに対して、なかなか着衣を取れないリーア・ルイスは下着の上のTシャツのまま泉に浸かります。


と、次のカットで裸になっていたはずのレクシス・レミールが再びシャツを着て、リーア・ルイスと泉に浮かぶとても綺麗なシーンが続きます。もちろんレクシス・レミールのヌードNGという制約があったのでしょうが、僕は「あなたも大胆になって服を脱いて、私のところまで上がってきなさい」ではなくて、「あなたは恥ずかしいのね。そうね、あなたに合わせるわ。」という相手に対して寄り添うようなメッセージを勝手に感じて、ものすごく温かい気持ちになりました。

少なくともそう感じさせる製作意図が作品全体に通底しています。
本作では三角関係がもうひとつ複雑です。そこが、セクシャルマイノリティが関わる人間関係をヘテロセクシャルの定形に普遍化する乱暴さをきれいに回避しているところが素晴らしいです。

好き、をありのままに。