ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

マイケル・マン監督『コラテラル』出演トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス

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 ネトフリ、アマプラ、U-NEXTに観なきゃいけない未見映画が山程あるのに、もう何回目かわからないこの作品を観てしまいました。回数でいったら『パルプ・フィクション』の次くらいに観てると思います。


  やっぱり上手い監督の映画の導入部の引き込み方は素晴らしい。主要登場人物4人(ジェイミー、トム、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ)が揃うまでのあのトリップ感というか幻惑感。「あぁすんげぇ面白い話が始まるよ、これ!」が何回観ても味わえます。私だけですかね?

 何より、この映画の悪役ぶりが超絶格好いいトム・クルーズの演技が大好きなんです。私にとっての『アウトロー』のジャック・リーチャー、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のレスタトに並ぶベストキャリアです。上質なピカレスク文学を読んでいるかのようなロマンチックでクールな殺し屋の役作り。『ノーカントリー』のターミネーター感溢れるハビエル・バルデムも大好きなんですが、トム演じる本作のヴィンセントは私の殺し屋史上最も好きかもしれない役柄です。

 一見して知性と冷血さを表現するルックスに仕立てておきながらストーリーが進行するにつれてジェイミーの上司とのタクシー無線の会話に感情を出したり、行きがかり上仕方なく同行することになったジェイミーの母親の見舞いに人間臭いところを見せるなどの細かな演出がたまらないのです。

 一晩で5人の殺害を計画している殺し屋の運転手役をする羽目になったタクシードライバーであるジェイミー・フォックスと殺し屋トム・クルーズの会話劇がこの映画のメインプロットに据えられているのですが、この二人の関係性が【巻き込まれ】→【バディ】→【対決】へと変化していく脚本と演出が本当に上手い。

 

 ストーリーを全て知っていても何度でも味わいたくなるんですよね。


 そして、ラスト付近で殺し屋ヴィンセントが弾倉の交換に失敗するあのカット、ガンアクションの歴史に残る名シーンだと思います。