世界各国の人々の所得、健康、教育などのデータを軸にして、すでに我々が持っている先入観を修正しながら、世界を正しく理解して知識をアップデートしていくための「構え」についての本。
以下の10の「思い込み」・・・つまり人間の本能的なバイアスについて傾向と対策が記されている。私としては①②⑩に強い自覚があるので、これからニュースや情報に触れる時には十分に気をつけたい。
①分断本能
「世界は分断されている」という思い込み
②ネガティブ本能
「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
③直線本能
「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
④恐怖本能
「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
⑤過大視本能
「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
⑥パターン化本能
「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
⑦宿命本能
「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
⑧単純化本能
「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
⑨犯人捜し本能
「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
⑩焦り本能
「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
「世界は分断されている」という思い込み
②ネガティブ本能
「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
③直線本能
「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
④恐怖本能
「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
⑤過大視本能
「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
⑥パターン化本能
「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
⑦宿命本能
「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
⑧単純化本能
「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
⑨犯人捜し本能
「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
⑩焦り本能
「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
文章はユーモアに富んでいて非常に読みやすく、図表の類が分かりやすくて素晴らしい。そして各章の盛り込まれている著者の世界各地での実体験やエピソードが活き活き語られていて、読み物としてもとても優れた本である。
著者が末期のすい臓がんの闘病中に、わずかな余命の中で執筆していた(実際には未完のまま亡くなられて協働していた家族が完成させた)というエピソードを知るにつけ、「ファクトフルネス」という概念、真実とデータを重んじる事の尊さが再認識される。
我が国の真実とデータの取り扱いが如何に残念な状況かということも含めて、だ。
そして、本書の冒頭にあるように世界の貧困率はここ20年で大きく改善しているという。極度の貧困の中で暮らす人々の割合は、20年前には世界の人口の29%だったが、現在は9%まで下がっている。
地球規模のマクロな視点ではそういった改善が見られるが、足元の日本国内に目を向けると、そんなトレンドに乗っているようには思えない。著者は「旧式な西洋諸国の考え」が時代遅れで間違ったものになっていると警句を繰り返しているが、日本でも増えないパイの再分配がうまくいかず、貧困層の拡大が起きているようで、やっぱり暗い気持ちになってしまった。
エビデンスベースで政策決定をできない国だからと諦めていいものだろうか。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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