なんで韓国ではこういう映画が作れて、日本から出てこないのかなぁ~?
なんの期待も予備知識もなく観たこの映画、面白かったです。
正直、韓流ブームの反動で「韓国映画??」という気持ちがないわけではないですが、それを差し引いても僕には好きな韓国映画が多いです。
『甘い人生』『オールドボーイ』『チェイサー』『悪魔を見た』『母なる証明』・・・
スペインの映画『オール・アバウト・マイ・マザー』や『靴に恋して』を観たときには、「スペイン人ってなんて愛が剥き出しなんだ!」って思いましたが、上記した作品群が好きな理由は生々しいまでの人間愛と暴力描写。
脚本もすごい角度で曲がりますしね・・・。
しかも剛速球。
さて、本作もハリウッドリメイクが決まっているらしく、かなり面白かったです。
香港人の作った『インファナル・アフェア』ほど綺麗で火薬の量も多くはないけど、まぁ暑っ苦しくてねちっこい!!
正義と仁義の葛藤、表と裏の葛藤もよく描けていたと思いますし、映画が動き出してからのテンポと盛り上がり方が実に良かった。
そして、何よりもこの映画の魅力は主役を張るイ・ジョンジェのその誠実そうなベビーフェイスと巻き込まれる境遇の熾烈さ、彼の「Point of NO Return」からの覚悟と手際の良さとその冷徹さのギャップでしょうね。
この映画で一番好きなシーンは、ファン・ジョンミン演じるチョン・チョンのエレベーター室内での乱闘シーン。いやー、『オールド・ボーイ』でもそうだったんですけど、韓国映画の多人数の暴力描写は汚くて騒々しくてすばらしい!
本作でも、いくら撮影とはいえそれ怪我するだろ!?っていうアクション演出にぐいぐい引きつけられました。
血まみれになった顔がヴァンサン・カッセルみたいに見えて男前度がここらへんから急上昇します。
・・・最後に突っ込みどころをいくつか。
①潜入捜査官が本名のまま潜入して、本名のままやくざの世界で成り上がる(笑)
②ヤクザの世界で出世した主人公の奥様を守るために、対立する組からの襲撃に警察が介入しているのに誰も彼が警察とつながっていると疑わない。
③踏み切りそばでコ局長を襲撃する際に、向こう見ずな設定の北の暗殺者が、電車が通る騒音の中で、という設定なのになぜか拳銃に消音機を取り付けだす。
ま、笑って済ませられる程度の粗です(そうかな・・・)