【監督】ジャレッド・ヘス
【出演】ジョン・ヘダー
ジョン・グリース
アーロン・ルーエル
エフレン・ラミレッツ
『Napoleon Dynamite』原題からして笑えますね。
大好きです。このテイスト。
主人公、ナポレオンが叔父さんのバンに果物(?)を投げつけるシーン・・・最高です!
あの引いたカメラがたまんないです。
・・・さて、物議をかもし出してる邦題ですが、その是非はさておいてこの『バス男』なるタイトルから非常に貴重な考察が得られました。
一般的な日本人の認識としては、この映画は「ヲタ映画」となっています。
では、タイトルの元ネタとなっている『電車男』って、果たして「ヲタ作品」と呼んでいいのだろうか?
じゃ「ヲタク」の定義って?
そこには、閉ざされたコミュニティと社会性の欠如が欠かせないと思うんです。
じゃ電車男ってヲタクとしていけてんの?
そうなると疑問。
脱ヲタク。
おしゃれして、おいしいお店をチェックして、お高めの女の子をゲットする過程で彼は自身のアイデンティティを変化させてる。それを社会的に模範解答としてハッピーエンドを迎えさせてるところに非常に毒を感じてしまうのはボクだけですか?
劇場版『エヴァ』で劇場に座る観客の映像を差し込んで、庵野監督が僕らを挑発したように。
つまり、電車男はハードボイルドじゃないんですよ。卒業青春サクセスストーリー。
じゃ「電車男」はどうか?追加のエンディングシーンはヒロイックすぎるかもしれませんが、それでも一線を超えてしまってるところに「とほほ」な笑いもあり、「ナポレオン」を突き詰めていったところにあれがあるんだろうと納得もできます。
クライマックスの選挙でのシーンも、彼じゃないとあそこまで突き抜けきれないんだろうし(笑)(ヒュー・グラントくらいになると、自爆できるんですけどね←『アバウト・ア・ボーイ』)
ヲタクはハードボイルドなんですよ。商業ベースに乗ってしまっては負けです。
そういう意味では『ゴースト・ワールド』のソーラ・バーチなんてヲタクの鏡ですよね。この作品のラストは、『ダメージ』のラスト並に胸に突き刺さります。やっぱあぁでなくちゃ・・・。
ちなみにボクはある女友達に褒め言葉のつもりで「あんた『ゴースト~』のソーラ・バーチに雰囲気そっくりやな」って言ったら、めちゃくちゃ怒らせてしまいました・・・。