ざっくり1400年頃、ティモシー・シャラメが放蕩息子のイングランド王子ハル(後のヘンリー5世)を演じ、内乱や外圧に抗い国内平定のためにやむを得ずシャルル6世統治下のフランスに侵攻する話です。
もうおじさんは美しいシャラメを夢中で追いかけて、それだけで満足の2時間(ちょっと長い)でした。『ゲーム・オブ・スローン』ほど人間関係や権謀術数が複雑ではありませんし、ロマンスやお色気はバッサリ切ってあるので、私はこちらのほうが飲み込みやすいです。当時の騎兵、甲冑兵のブサイクな戦闘や、はなもちならんキリスト教世界も美化せず描いていて好印象でした。
それと、脇役のジョエル・エドガートンがずるいくらい格好良かったですね。『レッド・スパロー』『ブラック・スキャンダル』の印象はあまり強くないのですけど、本作では魅力たっぷりでした。
「8月の砲声」ではありませんが、戦争というのは本当にしょーもない誤解やはかりごとからはじまるのですね。ミステリ風味のオチは味わい深いです。
『DUNE』の次回作が楽しみです。