私の中では佐藤究→丸山ゴンザレス→高野秀行で繋がったノンフィクションライターの高野氏と中世歴史研究者の清水氏の書評対談本です。
かなり昔にHONZか何かで紹介されていて評判が良かったのを思い出して手に取ってみたのですが、噂通りに面白い凄本でした。
選書のセンスもさることながら高野氏、清水氏両名の溢れ出る知識教養から繰り出される脱線トークが興味深くて、もうお腹いっぱいになります。紹介されている本を読まなくても、相当な満足感とトリップ感を味わえる贅沢読書体験。
根底に流れるお二人の人間という生き物への愛情と、そこはかとなく貫かれたアナキーズムとのマリアージュがとても良い味付けになっています。
さらに装丁が非常に格好よろしい。
【目次】
第1章『ゾミア』ジェームズ・C・スコット
第2章『世界史のなかの戦国日本』村井 章介
第3章『大旅行記』全8巻イブン・バットゥータ
第4章『将門記』
第5章『ギケイキ』町田 康
第6章『ピダハン』ダニエル・L・エヴェレット
第7章『列島創世記』松木 武彦
第8章『日本語スタンダードの歴史』野村 剛史