ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

『コロンビアーナ / COLOMBIANA 』(アメリカ/フランス 2011)

 

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監督: オリヴィエ・メガトン
製作: リュック・ベッソン
出演: ゾーイ・サルダナ     カトレア
    ジョルディ・モリャ    マルコ
    レニー・ジェームズ    ロス
    アマンドラ・ステンバーグ カトレア(9歳)

 

想像の3倍は良かったです!

正直言ってリュック・ベッソンが絡んだ映画に対する色眼鏡は相当なものなので、おもったほど酷くなかったので安心しました。

主演のゾーイ・サルダナが素直に美しいです。これはいい。スタイルもいいし胸が大きすぎないのがとてもいい。綺麗な瞳と太股は最高。

 

だけどその他が本当に印象に残らない・・・。

 

脇役は存在感ないし、アクションや銃器ギミックの印象に残るシーンもあまりないし。サメのCGなんか無い方がマシでしょう。

 

アンヌ・パリローにステアーAUGをトイレで構えさせて正体を隠している恋人のジャン=ユーグ・アングラードとの扉越しの掛け合いで、恋と仕事の葛藤を数秒間で演出しきるあの緊迫感や、「マチルダからのプレゼントだ・・・」のジャン・レノのセリフのあとのゲイリーの痛快な捨て台詞を引き出すあの小道具・・・そういうのが無いんですよね~。

 

判定:『エージェント・マロリー』の勝ち!!

 

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『複製された男 / ENEMY』(カナダ/スペイン 2013) 映画・MOVIE

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監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作: ジョゼ・サラマーゴ 『複製された男』(彩流社刊)
出演: ジェイク・ギレンホール  アダム/アンソニー
    メラニー・ロラン     メアリー
    サラ・ガドン       ヘレン

 

なんか人気ないですね~。
不条理小説を不条理に映画にしたら、やっぱり受けないんでしょうかね?

プリズナーズ』が好きすぎて追いかけで観ました。ご想像の通りサスペンスプロットを期待して観ました。
 逆にそれが良かったのか・・・ストーリーが立ち上がる前の例の映像で完全に迷子になり、カナダの集合住宅の気持ち悪いロングショット(『ありふれた事件』以来とても苦手)もあり、得体の知れない不安と収まりの悪い世界観に終始酔いしれて、十分楽しめました。

とにかくサラ・ガドンメラニー・ロランが美しいです。そこがまた、この映画のテーマのひとつであろう男のゲスさを十分に自覚させてくれて心地よかったです。

 

『渦』は未見ですが、『灼熱の魂』『プリズナース』と大ファンのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。次も趣味に走るのか、ちょっとは興業を意識するのか、撮る作品が楽しみ。その前に『ボーダーライン』観なきゃ。

 

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『ランブルフィッシュ / RUMBLE FISH』(1983 アメリカ) 映画・MOVIE

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監督:フランシス・フォード・コッポラ
原作:S・E・ヒントン
出演:マット・ディロンミッキー・ロークダイアン・レイン
   デニス・ホッパー、ダイアナ・スカーウィッド、ヴィンセント・スパーノ
   ニコラス・ケイジクリストファー・ペン

 

 ようやく観ました。バイク乗りのくせに(今は乗っていませんが)ずっと観ていなかったんですよね。まぁ観たらバイクなんて舞台設定以外ではちょろっと出てくるくらいですけど。


 自分にとってバイクがもっと印象的なの『天使の涙』で金城武がミシェル・リーを乗せてトンネルの中を疾走するシーンとか、 レオス・カラックス汚れた血』とかですね。


 まぁバイクは置いておいて・・・とにかくミッキー・ロークが美しい!ブラコンを脚本の軸にするんだったらこんだけ格好いい俳優じゃないといけません!この当時、コッポラ監督に声をかけられた俳優陣は、やっぱりエリートだったんでしょう。


 それと、若かりし頃のコッポラ監督の痛いくらい尖ったカメラの使い方が印象的でした。彼は映画人として現役時代のバイクボーイ、もしくは作中のマット・ディロンみたいにツッパリたかったんでしょうね。カメラも好きな自分からすると本当に興味深い絵がたくさんありました。


最後に、デニス・ホッパーが凄すぎます。昔から得体の知れないおじさんだ。一番印象に残りました。

 

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『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(原題 『CHEF』)映画・movie

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監督: ジョン・ファヴロー

出演:ジョン・ファヴロー      カール・キャスパー

   ソフィア・ベルガラ      イネス
   ジョン・レグイザモ      マーティン
   スカーレット・ヨハンソン   モリー
   オリヴァー・プラット     ラムジー
   ボビー・カナヴェイル     トニー
   エイミー・セダリス      ジェン
   エムジェイ・アンソニー    パーシー
   ダスティン・ホフマン     リバ
   ロバート・ダウニー・Jr   マービン

 

僕は料理映画が大好きです。洋食屋の倅として育った環境の影響が大きいのかもしれません。音楽と料理人とホールスタッフと客がお皿を通じてつながり合う臨場感が堪らなく好きなんです。

 

これまでに観た料理に関する映画で好きなものを三つ挙げろと言われれば・・・

 

ナンバー1は間違いなく『ソウル・フード』。素晴らしくバランスがいい。

ナンバー2は『ディナー・ラッシュ』。臨場感という意味ではずば抜けています。

ナンバー3はレストランが本来の舞台ではないのですが、ヒロインとの絡みで出てくるレストランの描写とジャズ・サントラが非常に優れていた『サイド・アウェイ』。駄目男応援作品。

 

そしてこの映画・・・いいですね。一位取っちゃったかも。

役者陣が素晴らしいです。

お恥ずかしながら主役のジョン・ファヴロー、奥様役のソフィア・ベルガラの二人はぜんぜん知らない役者さん。ただ、バイプレイヤーのすごさを見ると、敢えてのキャスティングではなかろうか?

 

って・・・監督&主演ではないですか!? 道理で!!!

 

ソフィア・ガルベラはセクシーで素敵です。役柄も意外といい人だし。

ジョン・ファウブローの演技は、包丁さばきのシーンでわざとよそ見させたりして「料理してます!」ってギミックも有りながら、全編にわたって安定した愛情溢れるキャラクターで好感度が凄く高かったです。

 

そう、なにせジョン・ファウブロー監督演じるカール・キャスパーの料理と息子に向ける愛情の映画なんです。

 

<ネタバレが始まります>

 

冒頭、息子と市場に同行するシーンで、ケトルコーンをねだる息子にシェフはこう言い聞かせるんです。「ケトルコーンの正体を知っているか?炭水化物の砂糖がけだ。この美しいフルーツを見ろ。こんなに美味しいフルーツがあるのにケトルコーンなんか食うな!」

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その直後のカットがまた愛らしくて。

このおっさん、ほんとに食べ物が好きなんだな~、って感じさせます。

 

自宅マンションに結構な厨房設備を備えているカール。息子にホットサンドを作るシーンがあるんですが、その手つきが几帳面すぎて可笑しい。f:id:upaneguinho:20160424112112j:plain

『クレイマー・クレイマー』とはまた違った演出なんですけど、ここでの息子の反応がその後のストーリーに大きく影響してくるんです。

 

そして僕が一番感動したプロットは、息子が手伝いながら焼いたこの焦げたサンドから始まります。

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こんな風に僕が子どもに教えてあげることがあるかな?

涙が止まらなかったです。

「パパは不完全な人間だ。欠点もいっぱいある。でも、料理は上手い。パパの料理でみんなを『少しだけ』幸せにしてあげられるんだ。だからパパはおまえに教えてやりたいんだよ。」

 

素晴らしいです。

料理と息子に対する愛情がオーバーラップした瞬間。

でも・・・すごく地味なカットで、盛り上げる演出も全然無し。

その時気付きました。この監督は超技巧的な映画を撮る人だなって。

バスに乗っているシーンを分割していったり、スマホで摂った動画を引用したり。

細かいことを言うと、料理人が腕に巻いているバンテージがリアル過ぎる。そうなんです。料理人って手傷が多いし腱鞘炎になりやすい。そういったことへの目配せは料理人への尊敬を感じさせてとても心地よかった。

 

最後に、黒髪のスカヨハは最高に素敵。途中で出てこなくなるのが惜しくて仕方ないですけど、本筋に残らない、背中を押すキャラとして彼女を使うなんて最高に贅沢じゃないですか!!

ジョン・レグイザモ・・・滅茶苦茶いいです。本当に申し訳ないですが、10年以上前に見た『SPAWN』以来。とんでもなく分厚いキャリアを積んでらっしゃる。

そしてロバート・ダウニー・Jr。ほんのちょっとしか出てきませんが、偏執的で可笑しくて嫌みな設定がたまらない!

 

すげー良い映画でした。



 

 

『どら平太』映画・movie

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いやーー、いいっすね、コレ!!


私は昭和51年生まれ。
時代劇と言えば「必殺」と「鬼平」しか知らない世代。
水戸黄門はおいておいて)

映画と言えばクロサワを必死こいて追いかけていた時代劇ロスジェネ代表です。
とは言え、なんだかんだで『13人の刺客』を手放しで楽しめるレザボア世代でもあります。

そう、時代劇の定型を知らないだけに楽しみ方も自由。
大菩薩峠』も『椿十三郎』も大好きだけども、近頃の時代劇、いいじゃないですか。
まず、『たそがれ清兵衛』が良かった!!『壬生義士伝』泣いた!!!

必死剣鳥刺し』・・・うん、まぁ良かった。などなど。
っつーことで、時代劇ヌーベルヴァーグの初期作品を観ようと思いまして、『どら平太』を観ました。

 

すげーですよ。この映画。

 

骨格のしっかりした映画って、こういう作品のことを言うのですね。
ザッツ・ジャパニーズ・ハードボイルド。

エリートと放蕩サラリーマンの間。
役所さん、輝いていました。

 

 

菅原先輩の凄みも相まって小平太のキャラが際立つ脚本。
なんせ、市川崑監督の経験値から来る精緻さ。
隙の無さをもの凄く感じる映画でした。

 

浅野ゆう子さん、着物をたたんで風呂敷に詰めるシーンの所作の美しさに感動しました。

今、すげー酔ってます。

 

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たそがれ清兵衛

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壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

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本 『殺戮にいたる病』『絶叫』『その女アレックス』

昨日、『殺戮にいたる病』を読了しました。

伝説のラストシーンとやらを体験。

叙述トリックを使った「本格」なんだそうです。
・・・正直言うと、本は一回読んだだけで楽しめないとしんどい私には「本格ミステリー」は向いていないですね。

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同じくらい気持ち悪くて、似たようなトリックが使われている『絶叫』の2人称マジックのほうが楽しめました。

途中、保険業界、社会福祉、クレジットローンなどの問題意識に筆が走りすぎるところ

がありますが、現代社会の「気持ち悪さ」がすごくよく書けていました。
ラストも痛快。後味悪し(いい意味で)

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ただただ・・・『その女アレックス』にはこの2作もかないません。
ヒロインの抱えた陰惨な過去を、残酷なまでの狡猾さと知性をもって償わせていく様は壮絶で美しい。
愛情で昇華されるとてつもなく切ないラストを迎えるところなんか、去年一年で最高の一冊でした。

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次は『慟哭』貫井徳郎と『高い城の男』ディックのどちらを読もうかしら。

 

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

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慟哭 (創元推理文庫)

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その女アレックス (文春文庫)

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絶叫

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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

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映画・movie『3時10分、決断のとき』

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ラッセル・クロウクリスチャン・ベールの絡みは安定感抜群で素晴らしい。
ベン・フォスターはキレキレでカッコいいし、ピーター・フォンダは馬鹿渋。

 

地上げや現金輸送車(馬車)襲撃、凶悪な無法者の護送、汽車の時間待ちなんていう設定も秀逸。

 

素材はそれぞれピカイチなのに…私は乗れませんでした。

 

まず、女性との逢瀬のために余裕の表情で捕まるラッセル・クロウの行動が不可解。わざとかと思えばそうでもないし。
この人(ラッセル・クロウほんとに名うての無法者なのか?
観てれば、いつでも逃げられそうなのにぐずぐず護送されてるし、頼みの腕利き手下達は意外と救出に手間取るし、どんどん死人は出るし、で驚愕のラスト・・・


え? そんなことする必要ある?
それ、ただのサイコパスじゃん!!


グリーンの瞳の女性に対する執着も中途半端(ラスト付近の会話でなんとなく想像がつくが)だし、クリスチャン・ベールの劣等感とラッセル・クロウのトラウマが交差するシーンも「ポイ」っと置かれたような取って付けた感。

 

振れ幅の大きい複雑な人格としてラッセル・クロウをもう少し丁寧に書いて、クリスチャン・ベールとの関係性の中でそこを掘り下げる演出をもっと増やしてくれれば僕のこの消化不良感も解消していたただろうと思います。

 

そしたらクリスチャン・ベールの息子とラッセル・クロウのダークサイド軸も浮き上がってきたのではないでしょうか。

 

ピーター・フォンダベン・フォスターはとてもいい役回りでしたが、そこも描きたくなるだけに、結果散漫になった印象です。

 

銃撃戦もほとんどなくていいので、野営や馬上での掛け合いをもう少しゆっくり見たかったです。

 

うーーん、『トゥルー・グリッド』の方が好きだなぁ・・・。

 

 

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