監督: ポール・ヴァーホーヴェン
原作: フィリップ・ディジャン『エル ELLE』(早川書房刊)
出演: イザベル・ユペール ミシェル・ルブラン
ロラン・ラフィット パトリック
アンヌ・コンシニ アンナ
シャルル・ベルリング リシャール
ヴィルジニー・エフィラ レベッカ
鑑賞後、1週間は消化不良のままだった。
というか、胃のあたりに異物感がずっと残ったような感覚。自分が食べたのが和食なのか中華なのかフレンチなのか、それとも棒杭なのかが判別しずらい、そんな気持ちがずっと続いた。私の苦手監督ポール・バーホーベンはいったい何を伝えたかったのかがわからなかったのだ。
イザベル・ユペールのハードボイルドサスペンス?
中高年セックス賛歌?
性倒錯者達のブラックコメディドラマ?
時間が経って分かったことは、この映画は次から次へと現れる「うへ!気持ち悪っ!!」を素直に楽しめばいいホラー映画だったということ。2回目鑑賞はないだろうけど、ポール・バーホーベンらしい良い仕事だと思う。序盤で女優の演技と絵の質感の良さには惑わされて方向性を見失ってしまうかもしれない。でもサスペンス的な伏線を全部、変態ネタで収めてしまうところは、豪腕過ぎだが潔さは感じた。変態監督が技巧的に自分の変態性を映像化した、そんな印象。
男性の皆さんは、「イザベル・ユペール、美熟女だしオッケー。ぜんぜん抱ける。」をどこまで保てるか、自分を試しながら鑑賞してみて欲しい。