【監督】モーガン・スパーロック 「ロシャンダが別名なら」
アレックス・ギブニー 「純粋さの崩壊」
ユージーン・ジャレッキー 「『素晴らしき哉、人生!』とは限らない」
ハイディ・ユーイング 「高校1年生を買収して成功に導けるか」
レイチェル・グレイディ 「高校1年生を買収して成功に導けるか」
【原作】スティーヴン・D・レヴィット
スティーヴン・J・ダブナー 『ヤバい経済学』(東洋経済新報社刊)
オムニバスな進行が散漫な印象を受けるのでそこは本で読んでもらうとして、知的挑戦というか、われわれの固定概念を覆すよなデータの投げかけがテンポ良く続く良作。映像の作りも丁寧で感じが良い。
相撲の話は個人的には「もうええって」と思いましたが、アメリカン人の「きらきらネーム」の統計や、金銭的なインセンティブで高校1年生の成績は上がるか?なんていう実験は面白かった。
あの実験、あんまり成績上がらなくて良かったと思っている。
高校生にお小遣いを渡すのって「衛生要因」の不満の排除だから、勉強に対するコミットメントを引き出すのって難しいと思ってた。二人の男子高校生の対比で、片や最後まで最低の成績で終わって「軍隊でも入ってイラク行くよ。今はこのふざけた生活を壊したくない」ってコメントしてた子と、成績は悪いけど実験開始から内的なコミットメントを強く発露してた子では成績の上がり方に歴然とした差があって、「やっぱ金だけじゃないよね」っていうオチっぽかったんで安心しました。
(彼らはもっと劇的に成果が出るとみていたらしいが)
『ザ・コーポレーション』や『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』ほどの刺激は無いですけど、底に流れているメッセージは深そうです。