私にとってこの作品が鈴木清順監督デビューでした。
テレビでやってた『ツィゴイネルワイゼン』をチラッと見て、映像のインパクトに思わずチャンネルを換えてしまってから、ずーっとトラウマだったんですよ、この人の映画。
『ありふれた事件』ぐらいショックで・・・。
だから、やさしめのヤツから(笑)
ストーリーはオンナを武器にいろんな仕事や男を転々とするたくましい女性の話ですが、中身はだいぶ可哀相です・・・。
そこらへんは『女はみんな生きている』に通じるものがあるかも。
とにかく野川由美子さんが良い。
素敵すぎますよ、彼女。
スタイルいいし、表情がチャーミングだし、脱ぎ方もあっぱれで。
同世代でなかったことが非常に残念。
私はこと映画女優(このジャンルは日本では成立しにくいけども)に思い入れのある日本人女性ってあんまりいないんですよね。
強いて言えば、
緒川たまき(『サムライ・フィクション』)
ぐらいでしょうか・・・。
とにかく、一目惚れしてしまいました。
役の話をするとですね、かわいいんですよ。
すっごく尽くすし。
あばら家みたいな恋人の家で、来客のために七輪から炭を移してお湯を沸かすシーンなんか、絶対に現代女性には求められない姿でしょ?(時代的にも、ね)
胸キュンでしたもん。
かといって、すっかり男の手の内に入ってしまうかというとそうでもなく。
ファム・ファタルが慎ましやかさを併せ持つっていうあのキャラは現代的にはとっても新鮮で。鈴木清順監督がそんな良識に縛られたとも思えませんが、そういう設定にでもしないと当時受け入れがたい女性像になってしまうのかもしれません。
峰不二子ばかりが日本のファム・ファタルの典型ではないですよ、と。
(余談ですが鈴木監督、アニメ『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(1985)も監督してます。小学校のとき劇場行って観たなぁ・・・)
ラスト、颯爽とスクーターを駆る野川由美子さん、私にはヘップバーンより魅力的に映りました。