ろぐの垂れ流し

LOVE定額の相手に着信拒否されたことあるか?!

小川 糸 著『あつあつを召し上がれ』新潮社

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『ライオンのおやつ』『食堂かたつむり』のタイトルだけはなんとなく知っていた小川糸を初めて読みました。食事に関する短編小説集です。

 

『忘れない味』に収録されていた中島京子『妻が椎茸だったころ』にどハマリしてしまった私は、『こーちゃんのおみそ汁』に予想通りヤラレてしまいました。妻に先立たれたご主人ストーリー プラス 娘ネタはもうだめですね、反則です。

 

私にとっては『ポルクの晩餐』がこの短編集のナンバー1でした。SF風味さえ漂わせる凄い世界観にエロと食事描写の迫力が備わった素晴らしい短編です。実際に読まれたら、なんとも不思議な読み口に戸惑われるかもしれません。私は最後まで戸惑いまくりました。めくってもめくってもずっと不思議な登場人物の説明が無い!いえいえ、これ以上駄文で感想を連ねるのは無粋というものです。やめておきましょう。

 

小川糸も食にまつわる作品が多い作家のようですが、柚木麻子の臨場感あふれる書き方とは違ってぽつぽつとしたリズムと余白を楽しむ文体でした。人気があるのも頷けます。