ラッセル・クロウとクリスチャン・ベールの絡みは安定感抜群で素晴らしい。
ベン・フォスターはキレキレでカッコいいし、ピーター・フォンダは馬鹿渋。
地上げや現金輸送車(馬車)襲撃、凶悪な無法者の護送、汽車の時間待ちなんていう設定も秀逸。
素材はそれぞれピカイチなのに…私は乗れませんでした。
まず、女性との逢瀬のために余裕の表情で捕まるラッセル・クロウの行動が不可解。わざとかと思えばそうでもないし。
この人(ラッセル・クロウ)ほんとに名うての無法者なのか?
観てれば、いつでも逃げられそうなのにぐずぐず護送されてるし、頼みの腕利き手下達は意外と救出に手間取るし、どんどん死人は出るし、で驚愕のラスト・・・
え? そんなことする必要ある?
それ、ただのサイコパスじゃん!!
グリーンの瞳の女性に対する執着も中途半端(ラスト付近の会話でなんとなく想像がつくが)だし、クリスチャン・ベールの劣等感とラッセル・クロウのトラウマが交差するシーンも「ポイ」っと置かれたような取って付けた感。
振れ幅の大きい複雑な人格としてラッセル・クロウをもう少し丁寧に書いて、クリスチャン・ベールとの関係性の中でそこを掘り下げる演出をもっと増やしてくれれば僕のこの消化不良感も解消していたただろうと思います。
そしたらクリスチャン・ベールの息子とラッセル・クロウのダークサイド軸も浮き上がってきたのではないでしょうか。
ピーター・フォンダやベン・フォスターはとてもいい役回りでしたが、そこも描きたくなるだけに、結果散漫になった印象です。
銃撃戦もほとんどなくていいので、野営や馬上での掛け合いをもう少しゆっくり見たかったです。
うーーん、『トゥルー・グリッド』の方が好きだなぁ・・・。